2003年、国連は環境難民が初めて戦争難民と政治難民の数を上回ったと発表。地球温暖化の進行で、その数はさらに増えていると予想される。
モルディブでは、温暖化による海面上昇で海岸の侵食が進んでいる。1992年、ブラジルで行われた地球サミットで、大統領は「このままでは国が水没する」と訴えた。しかし、国際社会がモルディブの問題を認識するようになったのは、2005年にインド洋大津波が起きてから。津波の発生により、今なお多くの人々が家から遠く離れた場所で避難生活を送る。
ブラジルは、製紙パルプの原料となるユーカリの世界最大の植林国。農民たちが欧米の製紙会社に土地を売って都市部へと移住し、スラム街で厳しい生活を送る。ユーカリは生育が早く適応力が強い樹種として期待されているが、一方で水を大量に消費し、周辺の動植物の生態系に悪影響を及ぼすといった批判も。
カナダ西部のアルバータ州は世界有数の油田地帯。しかし、アルバータの石油はタール入りの砂から抽出し、他の採取方法に比べて環境被害が大きいことから、前米副大統領のゴア氏も懸念を強めている。
原題: The Refugees of the Blue Planet
制作:
National Film Board(カナダ)
2006年