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北のスカッド・ミサイルから韓国を守るには(上)

北朝鮮のスカッド・ミサイル

 「ソウルまで3分30秒、水原まで4分10秒、原州まで4分50秒…」

ソウルから120キロ離れている北朝鮮・黄海北道新界郡のミサイル基地からスカッド・ミサイルが発射された場合、ソウルなどの都市に到達するまでの所要時間だ。スカッド・ミサイルはマッハ8以上の速度で飛来するため、一瞬にして首都圏を火の海にできるのだ。

◆北朝鮮のミサイルがなぜ脅威なのか 

 北朝鮮のスカッド・ミサイルが韓国へ飛来するのを防ぐには、どんな手段があるのだろうか。その正しい答えは「未だにない」というものだ。「在韓米軍に配備されているパトリオットミサイル(PAC-2、PAC-3)があるではないか」という答えが返ってきそうだが、これは在韓米軍の基地を守るためのものでしかない。

米国と日本が共同で開発しているSM-3ミサイル
 韓国はこれまで、毎年20兆ウォン(約2兆300億円)以上もの国防費を費やしてきたにもかかわらず、北朝鮮のミサイルから国民を守るための兵器は未だにない。北朝鮮は射程距離300‐500キロのスカッド・ミサイルを約600発、同じく約1300キロのノドン・ミサイルを約200発保有している。とりわけ、スカッド・ミサイルは日本まで射程距離に入らないため、韓国を狙ったものだと考えられる。

 スカッド・ミサイルは命中精度(CEP)が低いため、軍事的な目標物を狙い撃ちするのではなく、大都市を対象に無差別攻撃を行うのに向いているとされるが、これもまた注目すべき点だ。スカッド・ミサイルのCEPは450メートルから2キロ程度だ。これは、スカッド・ミサイル100発をソウル・竜山の国防部に向けて発射した場合、国防部を中心とした半径450メートルから2キロの範囲内に50発が、その周辺地域に残りの50発が落下するということになる。

ユ・ヨンウォン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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