2008-06-13 18:35:11
stanford2008の投稿
桜井淳所長の泊次郎著『プレートテクトニクスの拒絶と受容』の読後感(とりあえずほんの一言の感想)
テーマ:ブログ以下の内容は"水戸"からの情報です。桜井淳所長は、一昨日、泊さんから、博士論文からなる著書『プレートテクトニクスの拒絶と受容』(東大出版会、2008))をいただきました(バックナンバー参照)。気になったので、1日かけて、一気に、熟読・吟味したそうです。いずれ詳細な読後感はまとめるそうです。ここでは簡単な読後感(ほんの一言の感想)だけにしておくそうです。その著書には、826編の文献が引用され、実に、ていねいに論証しており、時間をかけただけの価値を感じたそうです。博士論文としては大変すばらしい出来栄えだそうです。桜井所長は「泊さんは大変な実力者」と賞賛していました。日本で"プレートテクトニクス"の受容が遅れたという意味は、日本地質学会によるもので(1980年)、地震学会では、欧米並みに早く受容されており(1970年)、遅れの定義がよく分かるそうです(p.7)。日本地質学会による受容の遅れの原因は、強力な影響力を及ぼした井尻正ニ氏を中心とした地学団体研究会によるスターリン主義科学論下での極めて政治的な運動論に拠るとあり(pp.168-197)、事の複雑さを感じたそうです。泊さんは、地学団体研究会の科学方法論を俎上に乗せましたが、今後、どのような反論が出るか、桜井所長は、大変、興味があるそうです。桜井所長は、かなり醒めた目で熟読したそうです。「本書はもちろん、ひとつの解釈、ひとつの歴史記述に過ぎません」(p.246)とありますが、哲学とは、常に、そのような側面を持っており、絶対的な主張は、出来ないと受け止めているそうです。