沖縄国際大の佐藤学教授が5月の中旬、ふと思い立って学生に尋ねてみた。「5月15日は何の日か知っていますか?」
▼復帰記念日と回答したのは60人のクラスで2人、40人のクラスで6人。1年生のクラスでは18人中ゼロだったと聞き、がくぜんとした
▼学生らにとって復帰は自分の生まれるよりはるか昔の話だ。5・15を知らなくても日々の暮らしに何の支障もない。高校の日本史は明治・大正までを教えるのが精いっぱいだ。沖縄の近現代史を扱う余裕はほとんどないから、学生ばかりを責められない
▼とはいえこうした事態が進むと、社会を構成する世代の間に深刻な溝が生じかねない。つなぎ合わせる糸を欠いたばらばらの断片。まとまりのないジグソーパズルのような姿が現実味を帯びる
▼よく指摘される本土との「温度差」は、沖縄と本土との間に共通認識がないからだろう。道州制でも識者は「九州と歴史を共有していない沖縄は、九州道に入る必然性がない」と言い、単独州になるよう求めている。だが今、その沖縄の内側で共通認識の崩壊が恐るべき速さで進んでいるのだ
▼省みて、自分が次の世代に何を伝えているか、はなはだ心もとない。だが根っこを失った草が漂流するばかりなのも確かだろう。さて、目前に迫った「6・23」は、どれだけの学生が知っているだろうか。
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