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知らされない遺族 黒塗りのいじめ自殺記録

福岡県筑前町で昨年10月、三輪中2年の森啓祐君=当時(13)=がいじめを苦に自殺した問題で、福岡法務局は、個人情報保護法に基づき遺族が公開申請していた調査記録を部分開示しました。 開示対象は人権侵犯記録と題する計441枚分でしたが、開示されれば調査の遂行に支障が出る恐れがあるとの理由から、遺族からの聴取部分を除き、約9割が黒塗りでした。
開示後、記者会見したお父さんの順二さんは「もう少し踏み込んだものが出てくるかと思ったが、がっかりした」、お母さんの美加さんは「遺族が何も知らされない現状がいまだにあることが残念」と話しています。
この事件後で、三輪中のある親が、私たちはマスコミや、興味本位で騒ぎ立てる周りの人から、自分たちの子どもたちを守るために、学校と一緒に戦ったと言われていることを聞きました。確かにマスコミの取材・報道には問題が少なくないことはよくわかります。しかし、学校と親は子どもたちを守り切れたと今言えるのでしょうか。
9割が黒塗りの記録を開示された森君の遺族は、一周忌を過ぎても未だに自分の子どもがどのような状況の中で死に至ったのかをきちんと知ることができないでいます。
もう落ち着いて事実と向き合いことができるのではないでしょうか。悲劇を繰り返さないために知りたくない事実もしっかりと目を開けて見ないといけないのではないでしょうか。子どもたちの心の片隅に黒塗りの記憶を作ることですべてを終わることができるのでしょうか?