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【主張】秋葉原無差別殺傷 未然防止に知恵絞りたい

2008.6.15 03:23
このニュースのトピックス主張

 7人死亡、10人が重軽傷を負った東京・秋葉原の無差別殺傷事件から、15日で早くも1週間がたった。調べが進むにつれ、容疑者のあまりにも身勝手で無軌道な凶行に怒りが募る。

 容疑者の加藤智大派遣社員は8日の白昼、歩行者天国でにぎわう秋葉原の中央通り交差点に2トントラックで突っ込み、逃げまどう通行人をダガーナイフで突き刺した。過去の通り魔事件でも例がない残忍な犯行だった。

 7月7日からの北海道洞爺湖サミットを控え、繁華街でのテロ対策を重点目標に置く警察当局にとっては、見過ごせない重大犯罪でもあった。

 調べに加藤容疑者は、「多くの人を殺すため、通行人がいっぱいいる秋葉原の歩行者天国を狙った」と供述しているという。無差別大量殺人を実行するため、注目度が高い「アキバ」を犯行現場に選んだようだ。

 秋葉原中央通りの歩行者天国は、昭和48年に始まり、日曜日と祝日の午後に車の通行を規制、歩行者に開放してきた。

 事件後、地元の千代田区と商店街が協議、15日から当面の間の中止を警視庁に要請、都公安委員会が中止を正式決定した。残念だが事件の影響や遺族の思いを考えれば、致し方ない。安全が確認されれば、休日の楽しみだったアキバのホコ天再開を望みたい。

 さらに、容疑者が犯行に使用したダガーナイフについて、国内一の生産を誇る岐阜県関市の刃物組合が生産と輸入の中止を決めたことは当然である。

 このナイフは戦闘用として開発されたもので、殺傷能力が高く、一般にはあまり使われていない。ナイフ類も用途、目的などに応じて販売禁止など法の網をかぶせるべきだ。銃を含め容易に凶器を入手できないような仕組みを構築すれば、事前に犯罪の芽を摘み取る近道となろう。

 また、加藤容疑者は凶行前に携帯サイトの掲示板に犯行予告を繰り返していたほか、職場への不満や両親への憎悪、孤独感などを詳細に書き込んでいたことが判明している。事前に察知できなかったことは返す返すも残念である。

 ネット社会では、接続業者やネット管理会社の協力で、検知可能な体制作りが急務だということを思い知らされた。今回の事件はさまざまな問題を提起した。その一つ一つを教訓にしたい。

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