“総会シーズン”を迎え、関西では岡山県出身者でつくる「ふるさと会」の総会も次々開かれています。百数十人規模から十数人の集い、高校や大学の同窓会までさまざまですが、年に一度、親しい仲間と故郷を懐かしむ会は格別のようです。
そんな県出身者から最近、関西で開かれる岡山の物産展情報を教えてほしい、という声をよく耳にします。“ふるさと人”にとって、生まれ故郷の岡山に出合うひとときはうれしいようで、京都駅で偶然、岡山の物産展に出くわしたことのある勝央町出身の男性は「事前に知っていれば口コミの宣伝で応援できるのに」と残念がっていました。
食の安全安心への関心も影響しているのでしょうか。県出身者の中には岡山産米を取り寄せている人や、岡山の果物を毎年買い求めている人も多いです。兵庫県宝塚市でJA阿新が運営する「あしん館」の野菜は県ゆかりの人だけでなく、近隣の評判になっています。
最近、平成の大合併で新しい枠組みとなった岡山の自治体が関西で観光客誘致に力を入れています。特に関西圏からの旅行客が半数以上を占める美作三湯など県北部の観光地は、自治体や旅館組合が宣伝隊を積極的に派遣、“本気さ”がうかがえます。
岡山県財政が厳しさを増す中、県大阪事務所は六月から、テナント料などのお金をかけずに知名度アップを図ろうと、大阪駅周辺で定期的な街頭PRを始めました。知恵を絞り、行政と民間、ふるさと人を含めた“オール岡山”の輪を広げ、元気な岡山を発信してほしいと思います。
(大阪支社・大本哲弥)