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巡視船と遊漁船の船長を書類送検 往来危険容疑など

2008年6月15日0時48分

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 沖縄県の尖閣諸島・魚釣島沖で第10管区海上保安本部(鹿児島市)の巡視船「こしき」と台湾の遊漁船が衝突し、遊漁船が沈没した事故で、現場を管轄する第11管区海上保安本部(那覇市)は14日、巡視船の堤信行船長(58)を業務上過失往来危険と業務上過失傷害の疑いで、遊漁船の何鴻義船長(48)を業務上過失往来危険の疑いでそれぞれ那覇地検石垣支部に書類送検した。

 調べでは、堤船長は10日午前3時20分ごろ、魚釣島の南南東の東シナ海で、領海に入ってきた遊漁船の船名を確認するため巡視船を接近させた際、十分な距離を取らなかったため衝突。何船長に軽いけがをさせた疑い。何船長は巡視船が接近するのを認識しながら、自動操舵(そうだ)のまま航行。手動操舵に切り替えるなどの回避行動を取らずに巡視船と衝突した疑い。

 11管は当初、遊漁船がジグザグに逃げ、急に右旋回したため衝突したと発表していたが、うねりによって遊漁船の船首部分が左右に揺れていただけだったことが判明。急に右旋回をした事実もなかったという。11管は、大型船と小型船が近距離で航行する際、両船の周りの流れのバランスが崩れることなどによって横向きの力が発生し、大型船が小型船を引き寄せる「吸引」という現象が生じた可能性が高いとみている。

 遊漁船は客ら16人が乗り、釣りのポイントへ向かう途中だった。16人は巡視船に救助された。巡視船は遊漁船に対し、領海の外に出るよう警告はしていたが、停船命令は出していなかった。

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