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タクシー券問題 発覚した途端、利用額1000分の1 国交省関東地方整備局
国土交通省関東地方整備局道路部の職員が平成19年度に多額の深夜帰宅用タクシー代を使っていた問題で、問題発覚後の今年4、5月に同部の深夜のタクシー帰りが1回もなかったことが分かった。利用があったのは、緊急時に夜間登庁した約7000円分だけ。同整備局は19年度、約4200万円分のタクシー券を利用しており、1カ月の平均利用額では1000分の1に激減したことになる。関係者からは「本当に必要があったのか」と疑問の声が上がっている。
国交省の資料などによると、同部のタクシー券利用は今年4月には一度もなく、5月に2回あった。地震発生時の夜間登庁のために利用されたもので、総額は7360円。1カ月平均では3680円になる。
同部では19年度、約4217万円分のタクシー券を使用。大半が深夜帰宅用のタクシー利用とみられる。1カ月平均にすると約351万円になることから、タクシー券の“無駄遣い”が発覚し、券の使用規定が整備された今年4月以降、1000分の1に減ったことになる。
利用額が減った理由について、同整備局は「ソファやデスクの上に布団を敷いて寝たり、終電で帰宅したりしている」と説明。今後は、業務の平準化を進めるなどして深夜残業を圧縮する努力を行うという。
国会開会中だった4、5月でタクシー券の使用を大幅に減らすことができたことに対し、一連の問題を追及してきた大久保勉参院議員(民主)は「これまで年間4000万円ものタクシー券を使う必要があったのか。適切な利用がなされたか厳しく調査すべきだ」と指摘する。
同整備局の職員は「原油高などで国民の生活が厳しくなっていることを考えれば、当然のことなのだろう。時代にあった仕事の仕方があるということ」と話していた。
全国8地方整備局の職員が19年度に使った深夜帰宅用タクシー代で金額が大きかった10人のうち、9人は関東地方整備局職員。最高額は同整備局道路部の職員で、19年度の11カ月間で出勤日のほぼ毎日にあたる計190回、総額500万円分の深夜帰宅用タクシー券を使っていた。
今月に入り開示されたタクシー券には、使用要領に定められた時刻の記入がないものがあったことから、国交省は利用実態を再調査する意向を示していた。