福岡市教委が4月、市立小学校の全146校に、パンなど給食の残り物の持ち帰りを禁止する通知を出したことに対し、市教委に苦情など16件が寄せられていたことが分かった。13日の定例市議会一般質問で、山田裕嗣教育長が明らかにした。
苦情は、通知日(4月15日)直後から12日まで電話やメールで寄せられ、主な内容は「食べ物が傷んでいるかはにおいをかげば分かる」「学校で教えるべきで、もったいない精神に反する」など。
山田教育長は「大阪府堺市で96年、給食を食べた児童らが病原性大腸菌O157に感染したのを受け、文部省(文科省)が97年、衛生面から禁止基準を定めた。市では学校ごとに対応が異なっていたため、通知した」。禁止理由について「パンは給食時間中に食べることが前提で防腐剤が入っていない。品質保証期限は給食まで」と述べた。
吉田宏市長は「個人的にはもったいないと思う。給食時間中に残さず食べてもらうことが大切で、食べる時間が短いのなら考えなければ」とし、時間延長も検討課題との認識を示した。【鈴木美穂】
〔福岡都市圏版〕
毎日新聞 2008年6月14日 地方版