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【岩手・宮城内陸地震】「すぐに降りて!」車窓こじあけ脱出

6月14日18時39分配信 産経新聞


 道路が崩れ、3分の1が宙ぶらりんとなったバス。乗客は車窓をこじあけて脱出した−。最大震度6強を記録した岩手県奥州市衣川区の山間部では、20人の乗ったマイクロバスが土砂崩れでがけ下に転落し、10人が重軽傷を負った。乗客が必死の脱出劇を証言した。

 事故にあったのは、胆沢ダム水資源ブナ原生林を守る会(近藤有慶会長)がチャーターしたマイクロバス。

 「ブナ観察会」の参加者19人と運転手が乗っていた。けがを負わなかった10人のうち8人が、自衛隊ヘリに救出され、県立水沢高校のグラウンドに下りた。

 救出された同市水沢区大畑小路の蜂谷義昭さん(74)らによると、一行は同日午前8時に同市胆沢区のスキー場を出発。胆沢区から衣川区の「シラキリ沢林道」に入り、目的地に近づいたところで、突然、東側の山の斜面が崩れ始めた。

 「バスが止まっても、車内が揺れていたため、地震だと分かった。まもなく、運転手が『すぐに降りて。荷物は後で私が下ろします』と叫んだので、右側の窓をこじ開けて脱出しました。そのときは、左側の路肩が崩れてバスの3分の1は忠に浮いている状態だったので、全員必死だった」(蜂谷さん)という。

 この後、車内に半分ほど人を残したままでバスは左に大きく傾いて転落。一回転した後、斜面を横滑りし約40メートル先で3本の木に衝突してようやく止まったという。

 蜂谷さんらは、バスに残った人たちを気遣いながらも、なお余震で路肩が次々と崩れるため、林道を南側に向かって200メートルほど歩き、携帯電話が通じる地点まで来て110番に通報し、救助を求めたという。

 「とにかく、びっくりした。こんな山の中で地震に遭うなんて思ってもいなかった。けがをした人たちが心配です」
 蜂谷さんらは青ざめた顔で話していた。
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最終更新:6月14日18時39分

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