ニュース: 国際 RSS feed
【緯度経度】韓国人はデモが好き? ソウル・黒田勝弘 (1/3ページ)
このところタクシーに乗り日本人と分かると決まって「最近のろうそくデモをどう思いますか?」と聞かれる。ソウル都心を連日、連夜、騒がしている米国産牛肉輸入反対の大規模な反政府デモのことだ。
「どうも分からんねえ。狂牛病は現実的な恐怖ではないのに韓国人だけが騒いでいるように見える。政府が国民に無理やり、食わせるわけではないのだから、原産地表記をちゃんとして、イヤなら買わず、食べなければいいんじゃないの?」というと「いや、日本には生後20カ月以下の牛肉しか輸出しないことになっているのに、わが国には問題の30カ月以上のモノも輸出できるようにしてしまった。わが国の政府は米国になぜ日本並みを要求しないのかですよ」という。
「経済交渉だから他の利益を考え牛肉では韓国が譲歩したんじゃないの。食の安全性は重要だけど、毎晩、都心で何万人もデモをして政権打倒を叫ぶ問題かなあ」というと「とにかく再交渉して日本並みにしてもらわないと困る。確かに米国産は食べなければいいわけですが、わが国の業者は輸入モノを国産と偽ったりよく消費者をだましてきましたからねえ。そのあたりは日本に比べまだまだですが…」という。
こちらは「日本だって最近、食の問題で消費者をだます事件が相次いでねえ…」というのをがまんし、最後は「いずれにしろ都心の交通をマヒさせるあのわがモノ顔のデモはかなわん。韓国の国際的信用度にもかかわるから早く静かにしてほしいよ」となる。
ソウルの都心にはロッテやプラザなど有名ホテルも多いため、デモの現場で右往左往する日本人の団体観光客をよく見かける。