首相問責決議可決から一夜明けた12日、民主党は内閣信任決議案採決の衆院本会議を欠席し審議拒否戦術を明確にした。しかし、自ら主導してきた後期高齢者医療制度廃止法案で共産党が衆院審議入りに積極的に動き、党内からは「有権者から批判を浴びる」との不安も。小沢一郎代表も本会議前の代議士会に出張日程を一部取りやめて顔を出し結束をアピールするなど、審議拒否戦術は多難の様相だ。
代議士会では、鳩山由紀夫幹事長が「『一内閣一問責』という重い決断をした。国民に理解いただけるよう動きを強めていきたい」と呼び掛けた。国対幹部は「小沢代表に急きょ出席してもらったのは信任決議への対抗措置。審議拒否しても国会活動はするということだ」と解説する。
後期高齢者医療制度廃止法案の衆院審議入りでは、共産党が自民党に「単独で趣旨説明したい」と申し入れたことから民主、社民、国民新3党は国対委員長会談を開催。「審議拒否」を確認し、共産党に「野党として一任しない」ことで一致した。
結局法案は審議入りできなかったが、共産党の志位和夫委員長からは「(民主党が)自ら提案した法案を自らボイコットするのは無責任」と痛烈な批判を浴びた。【田中成之】
毎日新聞 2008年6月13日 東京朝刊