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4年ぶりの“珍事”タスポ効果「持って半年」

●「浮かれている場合ではない」の声も

 神風といっては怒られそうだが、コンビニが息を吹き返している。

 タスポと物価高騰のダブル効果で、5月は大手4社ともそろって前年同月比プラス(既存店)を達成した。何と4年ぶりの珍事だ。

「タスポ効果は間違いありませんが、それだけじゃないと思いたい」(大手コンビニ関係者)

 ローソンとファミリーマートが5%増、セブン―イレブンが3%増、サークルKサンクスも0.3%増だった。3月から一部で導入が始まったタスポが普及せず、「たばこ吸い」がコンビニに通った結果だ。

 ある九州の店舗では「たばこの売り上げが普段の7割アップになった」というからビックリ。7月には全国でタスポが導入されるので、その効果は絶大なはず。

「たばこを買うためコンビニに初めて来たという人もいます。その人をいかに常連客にするかが勝負です」(ローソン関係者)

 原油高による食品高騰もコンビニには追い風。外食から「自宅で料理」にシフトする主婦たちを呼び込むため、セブン―イレブンは低価格のPB調味料を強化。ローソンは、105円均一商品を目立つ場所に配置する。これが功を奏した。

 だが、原油高もタスポもコンビニには外部要因。いつまで神風が吹くかは全く分からない。

 あるチェーン幹部が憂いを口にする。

「タスポ効果は持って半年でしょう。このタスポや物価高の効果で、しばらくは好調が続くと思いますが、実はこれが落とし穴かもしれません。散々いわれたコンビニ再編の話が影を潜めています。しかしコンビニ店の数が飽和状態であることに変わりはないし、必ず再編は起きます。今の見せかけの好調ぶりで、それが先送りされてしまう。その間に傷が深くなるチェーンが出てくる。それが心配です」

 浮かれている場合じゃない。

【2008年6月11日掲載】


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