県警白バイとスクールバスが衝突 春野町
3日午後2時半ごろ、吾川郡春野町弘岡中の国道56号で、県警交通機動隊の吉岡力巡査長(26)=高知市布師田=が運転する白バイが道路左側のレストラン駐車場から出てきた吾川郡仁淀川町の仁淀中学校のスクールバスと衝突。吉岡巡査長は胸を強く打ち、高知市内の病院に運ばれたが胸部大動脈破裂で約1時間後に死亡した。
バスに乗っていた同中3年生22人と教員3人にけがはなかった。土佐署はバスを運転していた仁淀川町森のタクシー運転手、片岡晴彦容疑者(52)を業務上過失傷害で現行犯逮捕。業務上過失致死容疑に切り替えて調べている。同容疑者は「バイクは全然見えていなかった」と言っているという。
現場は荒倉トンネルの南約300メートルの片側2車線の見通しの良い直線。吉岡巡査長の白バイは高知市方面に向け通常走行していたとみられる。バスは土佐市方面へ向かうためレストラン駐車場から対向車線へ入ろうとしていたという。
白バイはバスの右前部に衝突しており、吉岡巡査長はバスをよけようと右側にハンドルを切ったが、よけ切れなかったのではないかとみられ、同署が詳しい事故状況を調べている。
吉岡巡査長はこの日午前8時半ごろから高知市や周辺市町村をパトロール中だった。仁淀中は3年生のお別れ遠足で高知市からの帰りにレストランで昼食を食べ終え、帰校する途中だった。同中は仁淀川町内のタクシー会社にスクールバスの運行を委託している。
県警によると、同巡査長は県内の高校を卒業後、11年4月に巡査として採用され、13年4月から交通機動隊白バイ隊員として勤務。昨年10月に茨城県ひたちなか市で開かれた全国白バイ安全運転競技会の団体2部で全国優勝を果たしたメンバーの一人だった。
県警によると、現在の県警が発足した昭和29年以降の殉職者は20人目で、13年7月に南国市の高知自動車道で事故処理中の高速隊員(警部補)が貨物車にはねられ死亡して以来。
【写真説明】白バイと衝突した仁淀中のスクールバス(3日午後4時ごろ、春野町弘岡中)
|