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脱北女性、総連を損賠提訴…大阪地裁に 在日朝鮮人の帰還事業で北朝鮮へ渡り、劣悪な環境での生活を強いられたのは、「地上の楽園」などと虚偽の宣伝をした在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の責任として、脱北者で韓国籍の 帰還事業は1959年、日本と北朝鮮の両赤十字社が共同で始め、日本政府も閣議了解していたが、高さん側は「日本政府などは帰還者をだます意思はなかった」と被告にはしなかった。 訴状では、高さんは3歳だった63年、家族で北朝鮮に渡った。2000年に脱北して中国に入ったが、強制送還され、拷問を受けたという。03年に再び脱北し、05年に日本へ戻った。 高さんは「朝鮮総連は北朝鮮の内情を説明する義務を怠り、地獄のような環境に送り込む誘拐行為を実行した」と主張している。 朝鮮総連の話「同じような訴えを棄却した判例がすでにある。訴えは同胞社会と日朝関係に害を与える以外のなにものでもない」 日本政府の責任問う声も
帰還事業を巡っては、1959年2月に事業を閣議了解した日本政府などの責任を問う声もある。 事業は閣議了解から10か月後の同年12月に始まり、84年7月までの間、日本人妻や子供を含む9万3340人が北朝鮮に渡った。 国交のない両国間で事業の実施主体となったのが、日本と北朝鮮の両赤十字社。国内各地で「地上の楽園」と宣伝し、帰還者を集めたのが朝鮮総連だった。 事業の背景について明治大の川島高峰准教授(民衆思想史)は、閣議了解の文書に、当時の在日朝鮮人の生活保護の受給率が著しく高い点などに触れた「極秘」の記述があったと指摘。「差別で職に就けずにいた在日朝鮮人を減らしたい日本政府と、朝鮮戦争後の復興のために労働力を確保したい北朝鮮の思惑が一致して事業が進められた。朝鮮総連はもちろん、日本政府や赤十字社にも応分の責任がある」と話している。 北朝鮮事情に詳しいフリージャーナリストの石丸次郎氏も日本政府や赤十字社の責任を指摘したうえで、「人生を台無しにされた人が被害を訴えるのは当然だ。今も家族が離散状態にあったり、安否が不明だったりと未解決の問題も残る。今回の訴訟が、帰還事業とは何だったのかを改めて考えるきっかけになってほしい」と話した。 (2008年6月13日 読売新聞)
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