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不起訴患者ら12人待機 重大犯罪の精神疾患患者が飽和
重大犯罪で不起訴や無罪となった精神疾患の患者を治療する医療観察法に基づく指定入院機関が飽和状態となり、全国で患者12人が待機していることが13日、分かった。同法では殺人、放火、強盗といった重大な犯罪で逮捕され、心神喪失などを理由に不起訴や無罪となった患者は、鑑定入院を経て裁判所が指定医療機関に入院を命じる。
厚生労働省によると、今年に入って病床不足が深刻化。3月中旬に14人が鑑定病院で待機する事態に陥った。その後の調整で待機は解消されたが、4月下旬に空き病床がなくなり、新たに12人が待機している。
12人は今月末に広島県の国立病院機構に完成する病棟へ受け入れるめどが立ったが「自転車操業もいよいよショートしてきている」(同省精神・障害保健課)と、今後も綱渡りが続く。
同法で指定医療機関は国、都道府県、独立行政法人が運営する病院のみが対象。病室を個室にするなど細かい規定があり、病床は新築か改築が必要になる。
同省は全国で720床確保を目標にしているが、今年4月現在、387床にとどまっている。特に都道府県立病院で地域住民の理解が得られず、救急や小児医療が優先されて敬遠されがちといい、自治体に協力を呼びかけている。