ゲストさんログイン

ウェブ検索

最新ニュース! クリックするほどよく分かる

livedoor ニュース

今週のお役立ち情報

[CNET Japan] 「10人に4人は見ていない」--危機感を抱くNHK

 4月より総合テレビ24時台のゾーン編成を開始したNHK。「EYES」と銘打った同枠では、主に若者層をターゲットした番組を帯で編成しているほか、EYESの独自サイトを開設するなど様々なイメージ戦略を展開している。EYESに込められたNHKの狙いを、担当者である編成局(編成)副部長の村田直樹氏と編成局ソフト開発センターの追杉恭光氏に聞いた。

――EYESを始めた経緯について聞かせてください。

村田:率直に申し上げれば、若い人を中心にもっとNHKを見てもらいたいというの狙いがあります。

 NHK放送文化研究所が2007年6月に実施した調査によると、NHK総合テレビへの視聴者接触率は59.1%。調査開始以来初めて6割を切りました。数値だけみるとそれなりの印象を受けますが、質問内容は「1週間で5分以上NHK総合を視聴したか」です。つまり、10人中4人は1週間に5分もNHKを視聴していない。NHKは、あまねく皆様から受信料をいただくビジネスモデルですから、これでは営業としても苦戦する状況なわけです。

 また、この6割程度の接触者層も60歳代以降の高年齢者層に偏っていて、若年層の接触率はもっと厳しい。この状況を打破するためには、今までと同じことをやっていても仕方がない。何か新しい展開が必要であると考えたのがそもそものきっかけです。

――実際に取り入れた、新たな手法とは何でしょう。

村田:通常、NHKの番組は関連会社を含めたNHK内部で企画、制作されることがほとんどでした。今回、EYESの開始にあたって外部の制作プロダクションに門戸を開放し、幅広く番組内容の提案を受ける体制を整えています。

――ゾーン編成にブランド名をつけるというのもNHKとしては初ですよね。

村田:EYESに組み込んだ番組がすべてが新番組というわけではありませんが(表参照)、ブランド名をつけて一括りにすることでパッケージ感を持たせることができればと。EYES=まなざし、ということで、若者がNHKにまなざしを向けてくれるように、またNHK自身も若者にまなざしを向けていこう、という意味をこめています。

――24時台は民放が強い時間帯ですね。

村田:もともと、この時間は「NHKスペシャル」などの再放送に充てていて、それはそれでコアな視聴者層に受け入れられていたのですが、もっとシャープに視聴者層を絞っていこうということです。テレビ朝日をはじめ、民放各局が長い期間をかけて若者に支持される番組を育ててきた時間帯ですから、そう簡単にNHKが受け入れられるとは考えていません。もちろん、いつまでもダメというわけにはいきませんから、さまざまな手段で若者にリーチしていきたいと考えています。

――そのひとつがサイトの開設ということですか。

村田:そもそも若者のNHKへの接触率自体が低い状況で、放送で宣伝してもターゲット層にリーチできません。インターネットは若年層の親和性が高く、また放送とは異なるリーチが期待できます。

追杉:「固くて真面目」というNHK色をあえて廃して、あくまで「楽しそうなことをやっている」と思っていただくことが重要です。サウンド、モーショングラフィック、サイトデザインそれぞれに専門クリエイターに参加してもらい、こだわりを持ってとりくんでいます。

 サウンドデザインはエレクトーン奏者のTUCKERさんが手がけました。それぞれの番組をアイコンで表現し、押すと異なる音が出るようにしています。クリックするごとに音が重なって音楽になる仕掛けです。機能を楽しみながら多くの番組情報にアクセスしていただくことが狙いです。

――このサイトにアクセスしてもらうための施策は。

追杉:一般の方のブログに設置してもらうためのブログパーツの配布や、裏話などをのせたスタッフブログの開設などをしていく予定です。EYESのサイトはNHKのサイトトップページからもアクセスできますが、情報が多いページなのでEYESを探すのはなかなか難しい。より若者層に受け入れられやすい形を整えることが重要だと考えています。

――NHK内部に対する影響は。

村田:制作担当者の番組制作意欲が高まりました。民放では深夜枠を若手制作陣に開放して自由に経験を積ませる、という手法が一般的になっていますが、NHKの場合、そう簡単に話は進められません。今回EYES枠を立ち上げて内外から広く提案を受け付けたことで、若手制作陣が本当にやりたいことを実現するための受け皿ができたのではないかと考えています。

――その効果はNHKローカル局にも広がりますか。

村田:現時点ではすべて東京制作になっていますが、いずれはローカル局にも門戸を広げていくことになるでしょう。NHK地方局の制作スタッフにも「こんな番組を作ってみたい」という意欲がわいてくれば、組織全体の活性化につながります。

――そうなると、番組の改編率は高めに設定する必要がありますね。

村田:人気のある番組については長く続けていくことになるでしょうが、基本的にはこまめに改編していくのが理想的だと思っています。多くの制作陣に機会を与えることも必要ですし、せっかく外部プロダクションに開いた門戸を1度きりで閉ざしてしまっては意味がありません。よりおもしろい番組を求めて、次々に新たな番組企画提案が届けられるような状況が生まれてほしいと期待しています。

――制作面でのメリットは。

村田:現在検討中なのですが、1週間の枠にしたことでゲストを呼びやすくなる効果があるかもしれません。「トップランナー」で取り上げたアーティストが「MUSIC JAPAN」に出演し、「ケータイ大喜利」のゲスト審査員を務めるといった具合に、ゲストにとっても単発で出演するよりEYES全番組に出演していただいた方が高いPR効果が得られるのではないかと思います。

追杉:サイトも番組間の連携を強く意識しているので、番組自体も横の連携を強めていくほうがいいでしょうね。

――今後の展開を教えて下さい。

村田:12月開始予定の、番組をネットで配信する「NHKアーカイブス・オンデマンド」については、権利がクリアできる番組は対応を進める予定です。サービス上のユーザー層とEYESのターゲット視聴者層は近いので、うまくリンクしていきたいと考えています。

追杉:サイトについては、いかにNHK以外の媒体からアクセスしてもらえるかが勝負になると思います。そのための準備を一早くすすめていく予定です。あくまでも若者に届くやり方でPRしていく必要があるでしょう。「またNHKがズレたことをしている…」といったような白い目で見られないよう、注意しなければなりませんね(笑)

村田:局の承認を得ているわけではないので個人的な構想ですが、最終的にはEYESをNHK若者向け番組の総称にしていきたいと思っています。教育テレビや衛星放送も含めて、ですね。大きなパッケージ感を出すことで、より効果が高まるのではないかと思います。

関連記事


コメントするにはログインが必要です
ログインしてください
投稿

前後の記事

国内アクセスランキング

注目の情報
自宅で実機パチンコ&パチスロ!
自宅でパチンコ&パチスロ!猛獣王やパチスロ北斗の拳など、
なつかしの機種から現役稼動中の新台まで71機種以上が打ち放題!
暇つぶしにも研究にもピッタリの777タウン.net!


いますぐGO!GO!暇つぶし!