北九州市小倉北区の私立真颯館(しんそうかん)高校(原口和生校長)で、調理科の男性教諭(57)が5月末までの9カ月間、無資格のまま授業をしていたことが分かった。教諭は採用時に調理師免許を改ざんして学校に提出しており、学校は原本を確認していなかった。教諭が受け持った調理実習の授業は無効になり、同校は調理科の在校生108人に対し最大128時間の補講をする。教諭は13日付で解雇された。
同校によると、男性教諭は昨年9月に採用。その際、95年5月に調理師資格を取ったとする免許のコピーを提出したが、実際に免許を取得したのは03年3月だったことが外部からの指摘でわかった。
学校や厚労省の説明では、調理実習の教員資格を得るには原則として免許取得後10年以上が必要。このため男性教諭が行った調理実習の授業は無効となり、学校は3年生で128時間、2年生で86時間、1年生で21時間の補講をする。卒業生は別の教諭が担当したため、影響はない。正規の授業で規定単位を取って卒業すれば、調理師試験を受けずに免許を申請できる。
男性教諭は「大変なことをしてしまい、申し訳ない」と話しているという。
同校を運営する学校法人真颯館の川崎哲雄常務理事は「免許を改ざんしているとは夢にも思わなかった。原本を確認しなかったのは学校のミスで、生徒や保護者に申し訳ない」と話した。
同校は99年に調理科を新設し、九州工業高校から校名を変更した。