「週刊少年サンデー」(小学館)に07年まで連載されていたマンガ「金色のガッシュ!!」の作者、雷句誠さんが、原画を紛失されたとして、小学館を相手取り、東京地裁に330万円の損害賠償訴訟を起こしている問題で、同誌編集部は13日までに、公式サイトに読者への謝罪文を掲載した。「読者の皆様へ」と題され、「ご心配をおかけして申し訳ございません」などとしている。しかし、雷句さん側の主張については、「事実とは考えておりません。今後は、法廷で当方の考えを明らかにしてゆくつもりでおります」と、争っていく姿勢を示した。
「金色のガッシュ!!」は同誌に01年から連載され、コミックス32巻で累計2200万部超を販売し、テレビアニメや劇場版にもなった。訴えによると、雷句さんは小学館側に原画を貸していたが、連載終了後にカラー原画など5枚が紛失していることが判明。小学館側は原稿料(1枚あたり1万7000円)の3倍の賠償額を提示したが、雷句さん側は「原画には美術的な価値がある」として、330万円の損害賠償を求めている。
雷句さんの提訴以後、「快感フレーズ」の新條まゆさんや「バクネヤング」の松永豊和さんらかつて小学館でマンガを発表していた作家が相次いでブログやホームページなどで、同社の体質を問う日記や小説を発表するなど、混乱が続いているが、小学館では「読者の皆さんに心配させてはいけないとの判断で掲載した」と説明している。【渡辺圭】
編集部がホームページに掲載した謝罪文の全文は次の通り。
「少年サンデー」をご愛読いただき、ありがとうございます。
今回、雷句誠氏より画稿紛失に関して弊社への提訴がなされた件につきましては、皆様に大変ご心配をおかけして申し訳ございません。真摯に受け止め、誠実に対応させていただきます。
皆様からは、雷句氏がご本人のブログに掲載された陳述書、訴状に関して、ご意見やお問い合せをいただいておりますが、係争中のことであり、現時点でお答えすることができません。もとより、ブログにある弊社および弊社社員についての記載は事実とは考えておりません。今後は、法廷で当方の考えを明らかにしてゆくつもりでおります。
「少年サンデー」編集部は、これからも誠実におもしろい作品作りに邁進してまいります。
どうぞこれからもご愛読いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
2008年6月13日