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【DMS展プレビュー】富士通と松下電器,生産管理システムと工場の見える化システムを連携

2008/06/12 15:30

 富士通と松下電器産業は,生産工程で発生した異常を映像によって可視化するツール「製造業見える化ソリューション」を開発した。富士通の工程管理システム「GLOVIA/MES」とSCADA(Supervisory Control and Data Acquisition)から成る生産管理システムと,松下電器のネットワーク・カメラ・システムによる工場見える化システムを連携させたもの(図1)。生産管理システムで得た製造現場の進ちょく遅れや製造設備の一時停止といった状況を瞬時にネットワーク・カメラで撮影することで,その映像を原因の究明・分析に役立てられる。

 製造現場では,問題や異常の原因をタイムリーに究明するために,情報の可視化ニーズが高まっている。しかし,既存の生産管理システムでは異常や進ちょく遅れの結果データしか可視化されず,原因究明には現場調査を含めて多くの時間と手間が掛かっていた。加えて人的作業による異常については,遅延としては感知できるものの,その情報を結果データでしか管理できないため,現場でのタイムリーな原因究明に役立てにくい。そこで富士通と松下電器は,「製造業見える化ソリューション」を開発した。

 同ソリューションでは,例えば,セル工程での組立作業で遅延が生じている場合,生産管理システムの組立時間遅延アラーム機能で異常を検知し,ネットワーク・カメラ・システムに伝達する(図2〈シーン1〉)。これにより,遅延を起こしている工程に瞬時にカメラを向けて異常が起きたときの作業者の映像を撮影・蓄積する。この映像を基に,作業分析や動線分析を行い,組立作業が遅れた原因を分析できる。

 製造設備の一時停止や緊急停止時には,SCADAからの設備異常信号に基づいて問題の発生した設備にカメラを向け,映像を撮影して蓄積する(図2〈シーン2〉)。この映像を基に,製造設備の一時停止や緊急停止の原因を分析できる。そのほか,ロットの切り替えや部材のピッキング,キッティング作業時などでも,映像を基に人の動きなどを加味した分析が可能だ。

 価格は,工場見える化システム一式で560万円から,GLOVIA/MESやSCADAなど生産管理システム一式で600万円から。2008年10月から出荷する。

 なお,両社は製造業見える化ソリューションを,2008年6月25〜27日開催の「第19回 設計製造ソリューション展」(東京ビッグサイト)で,富士通ブースに展示する。

富士通 連絡先:富士通コンタクトライン
電話:0120-933-200
松下電器産業 連絡先:パナソニック システムソリューションズ社 お客様ご相談センター
電話:0120-878-410

松田 千穂=日経ものづくり
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