大崎市民病院 赤字半減6億5000万円に

 経営改革中の宮城県大崎市民病院の2007年度決算の赤字は約6億5000万円で、06年度と比べてほぼ半減する見通しであることが分かった。患者の受け入れ体制を整備するなどした結果、入院・外来診療の収益増は約5億円に上り、赤字圧縮に効果をもたらした。同病院は「08年度の黒字化も視野に、立て直しを進めたい」と話している。

 07年度の市病院事業会計損益決算書(見込み額)では、事業収益(収入)は144億3530万円で、前年度決算より5%増加した。

 このうち入院・外来患者の診療に伴う収益増は5億3160万円で、底上げの大きな要因になった。救命救急センターと一般病棟の連携を強化して常時空きベッドを確保、管理者室を心電図室に模様替えするなどして診療体制を整えた。

 事業費用(支出)は医師の増員に伴う給与負担が増えたものの、150億8890万円と、前年度比0.7%アップの微増にとどまった。

 総収支では6億5360万円の赤字が残るが、前年度赤字(12億2490万円)の46.6%に当たる5億7130万円を圧縮。減価償却費を除く現金ベースの収支は1億6380万円の黒字になった。

 市民病院は06年春の大崎市合併に伴い、本院(古川)と岩出山、鳴子温泉、鹿島台の3分院、田尻診療所を統合する形で誕生した。

 合併前から各病院では厳しい経営が続いた。06年度には診療報酬が3.16%引き下げられ、経営環境はさらに苦しくなり、市は合併後に予定されていた本院、岩出山分院の建て替え着工を延期した。

 市民病院は職員の間で危機感を共有しようと、06年度に経営改善検討会議を設置。各部署で赤字削減の目標を設け、物品購入などのコスト減にも取り組んできた。市民病院の吉田正義事業管理者は「増収は職員一人一人の日々の努力の積み重ねの結果。新病院建築に向けて、本年度は赤字をゼロにしたい」と話している。
2008年06月13日金曜日

宮城

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