無免許、酒気帯びなどで車を運転したとして、道交法違反などの罪に問われた仙台市太白区の無職男(50)の控訴審判決公判で、仙台高裁は10日、「法令適用の誤りがある」として一審仙台地裁判決を破棄、あらためて地裁判決と同じ懲役8月を言い渡した。
刑法の規定では、1つの犯罪行為が2つ以上の罪を構成する場合、刑罰が最も重い罪で刑を決めることになっており、地裁は1月の判決で無免許運転(1年以下の懲役または30万円以下の罰金)を適用していた。
高裁の志田洋裁判長は「刑が最も重いのは『3年以下の懲役または50万円以下の罰金』の酒気帯び運転。法令適用の誤りは明らかで、一審判決は破棄を免れない」と述べた。弁護側は量刑不当と控訴していたが、懲役8月の量刑は妥当とした。
判決によると、男は昨年10月25日未明、無免許、酒気帯び、無車検、無保険の状態で、太白区根岸町の路上で乗用車を運転した。
酒気帯び運転の罰則は、男が起訴される約2カ月前の昨年9月に施行された改正道交法で引き上げられていた。地裁判決は、改正前の罰則と取り違えたとみられる。
地裁の阿部則之所長は「判決の言い渡しに誤りがないよう、機会あるごとに注意喚起しており、誠に遺憾。これまで以上に判決のチェックをきめ細かく行い、誤りがないよう、関係裁判官にあらためて徹底したい」とコメントした。
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