「ツナギなくなったこと引き金に」と供述
東京・秋葉原の無差別殺傷事件、逮捕された男が犯行のきっかけについて供述を始めました。男は「派遣先の工場をリストラされると一旦通告された上、自分のツナギがなくなったことが一つの引き金になった」と供述しているということです。 秋葉原の歩行者天国で無差別に17人を殺傷した加藤智大容疑者(25)。その後の調べに対し、犯行のきっかけについて供述していることが新たに分かりました。 直前まで加藤容疑者が働いていた静岡県の自動車部品工場。加藤容疑者は今月いっぱいでの解雇を告げられていました。工場側は今月に入り解雇を撤回。雇用契約は延長されましたが、加藤容疑者はこうしたことが犯行のきっかけだったと供述したのです。 「派遣先の工場をリストラされると一旦通告された上、自分のツナギがなくなったことが一つの引き金になった」(加藤智大 容疑者) 加藤容疑者は過去にも職場での待遇について不満を漏らすことが多かったといいます。 青森県屈指の進学校を卒業した加藤容疑者は、岐阜県の自動車短大へ進学。その後は、仙台や埼玉、茨城などで働きます。去年の1月から9月までは、再び地元青森に戻ってアルバイトとして2トントラックの運転手をしていました。当時は職歴に納得せず、涙を見せることもあったといいます。 「高校はいい高校を出たのに、自分の希望の仕事にも就けなくて、自分の仕事、やっている事、やってきた事に納得していない。そういう話をすれば、ドーンと沈んじゃうんですよ。泣いちゃうんですよね」(運送会社の元同僚) また、当時、「社員にしてくれない。アルバイトのままだ」と会社側への不満も漏らしていたといいます。 「『社員さんになりたいんだけどな』、『してくれねーんだよな』って。『お前だけじゃねーよ』って、みんなしゃべっていましたけど」(運送会社の元同僚) 加藤容疑者について運送会社側は、「働き始めてから3カ月で正社員にした」と話していますが、結局、この会社も自ら辞めたといいます。各地を転々として働くものの、いずれも長続きせず、不満を募らせていったのか・・・。 調べに対し、「会社が悪い、親が悪い、社会が悪い」などと責任を転嫁するような供述もしているということです。 「『2ちゃんねるのサイトをよく見ている』と。誰かが書き込んだ“犯行予告”とか、休憩の時とか周りに見せていた。『こういう“犯行予告”があるんだけど』とか」(同僚) 事件前からネットの「犯行予告」に関心を見せていたという加藤容疑者。自分で書いた「犯行予告」については、「犯行を誰かに止めてほしかった」と供述しているということです。 秋葉原で正午から始まる歩行者天国を待ってトラックごと突っ込んだあの日。現場近くの防犯カメラが犯行時刻の4分前、12時26分に捉えた加藤容疑者のトラック。このおよそ10分前にも、やはり加藤容疑者のトラックが走る様子が捉えられていました。 同じところを周っていた理由は?「犯行」をためらったためか?それとも確実に実行しようと「下見」していたのか? 「誰にも理解されない」「いつも悪いのは俺」。自分の思いを書き連ねた携帯サイトについては、「携帯は自分の生活の一部のようなもので、その都度書き込んでいた」と供述しているということです。(12日17:54)
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