福井市内で加藤智大容疑者とみられる男が購入したのと同型のダガーナイフ「S&WブーツナイフL」=福井県坂井市三国町
東京・秋葉原の無差別殺傷事件を受け、警察庁と経済産業省は12日、刃物やナイフの規制を強化する方針を固めた。凶器に使われたダガーナイフのような殺傷能力の高い特殊な刃物やナイフの所持を禁止する方向で、銃刀法改正を視野に検討に入る。同時に、刃物の販売時に客の身分確認と記録保存を店側に要請することも検討する。
銃刀法は、許可なしに刃渡り15センチ以上の刀や剣、飛び出しナイフなどを所有(所持)したり、正当な理由なく刃渡りが6センチを超える刃物を持ち歩いたりすること(携帯)を原則禁じている。
今回凶器として使われたダガーナイフは戦闘向けの両刃の短剣型ナイフ。刃渡り約13センチだったため、携帯は禁止されているが、所持については禁止されていなかった。
銃刀法をめぐっては、刃物やナイフを使った凶悪事件が相次ぐため、昨年11月に成立した改正法で、携帯禁止の罰則を、それまでの「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」から「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」に引き上げている。
一方、バタフライナイフやダガーナイフなどを未成年に販売することを禁じる自治体の条例を除き、刃物の販売に法規制はない。このため、両省庁は販売や使用の実態を調べたうえ、販売時に公的な身分証などで身分を確認し、記録を一定期間保存するよう刃物店などに求めることを検討する。包丁など日常生活に欠かせない刃物は対象外とする予定という。
刃物やナイフをめぐっては、11日の政府の関係閣僚会議で所持規制を強化する方針を確認している。