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“トラ”がトラからかい惨事に シスコの動物園
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【ワシントン=山本秀也】昨年12月、米サンフランシスコ動物園で、さくから逃げたトラが観客3人を死傷させる騒ぎがあり、原因を調べていた地元警察当局は、死亡した少年が酒に酔ってトラを刺激したためだったとの見方を固めた。18日付の現地紙、サンフランシスコ・クロニクルが、被害者の仲間たちの事情聴取内容として伝えた。
この事件は、12月25日午後、クリスマス休暇の観客でにぎわっていた同動物園で、メスのトラ1頭が高さ約3・8メートルのさくを飛び越えて脱走。17歳の少年をかみ殺したほか、仲間の少年2人にも重傷を負わせたもの。トラはショットガンを持った警官らに射殺された。
この「クリスマスの惨劇」をめぐっては、トラがさくを飛び越えた原因が補償問題とも絡んで問題となっており、さくの高さに規定違反の疑いも浮上する一方で、4頭いたトラのうち、なぜ1頭だけが観客を襲うほどの興奮状態に陥ったのかが最大の謎となっていた。
同紙によると、少年らの車を警察が調べたところ、ウオツカのビンのほか、マリフアナが発見された。被害者の血液からも高い濃度のアルコールが検出され、警察で仲間らを事情聴取した結果、酒に酔った被害者がさくを取り巻く手すりに上って、トラをからかっていたことが分かった。
動物園側では、トラが興奮状態に陥った原因として早い段階から人為的な刺激を受けた可能性を指摘。これに対し、被害者側は動物園の管理の手落ちを挙げて、「責任転嫁だ」と反論していた。