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面接のコツ 「体力はないが、根性はあります!?─前編─」元木 昌彦(2008-05-20 08:00)
長時間でも活字を追うことが出来ると豪語する私大国文科のKさん。「2ちゃんねる」を分析した本を作りたいという彼の思いは編集者に通じるのでしょうか?
(注・今回も出版社・講談社を志望するという形で模擬面接を実施しました) (1)講談社を志望する理由を聞かせてください 編集者 まず講談社を志望する理由を聞かせてください。 Kさん 講談社を志望した理由は、読書経験の中で講談社の本の比重が大きかったというのが1番です。中学生の時に始めて自分で本を買って読んだのが講談社文庫の我孫子武丸さんの『8の殺人』という本で、そのときに活字を読んで広がる世界の面白さを覚えまして、それ以来たくさん本を読んできました。そこで、今度は自分で本を作る立場になりたいと思い志望しました。 編集者 講談社に入ってやってみたい雑誌はありますか? Kさん 単行本を編集してみたいです。文芸、人文書に興味がありまして、今自分が考えている企画は『2ちゃんねる』に興味がありまして、(『2ちゃんねる』は)便所落書きだとか馬鹿にされているところがありますが、独自の言葉遣いであったり、大量に階層が存在するので、様々な社会とのかかわりを感じさせてくれるみたいなので、例えば社会学者の宮台真司さんに解説してもらった本を書いてもらいたいです。 編集者 『2ちゃんねる』だとサイトの管理人が書いた本や、インターネットの『2ちゃんねる』で使われる用語の本などがすでに出ているので、これから同じことをやっても仕方がないと思うのですが。 Kさん 文芸春秋さんが『2ちゃんねる宣言』という本を出しましたがそれ以外は『2ちゃんねる』のヘビーユーザー用の本が多く、CDーROMが付いていたり、用語集であったりしたのですが、僕が作りたいのは学術的な視点で『2ちゃんねる』が今後どうなっていくのかを分析したいと思います。 (2)編集者に向いている点を教えてください 編集者 自分が編集者に向いている点を教えてください。 Kさん 自分が編集者に向いているところは、たくさん本を読んできたことと長時間でも活字を追うことが出来る点です。 編集者 編集者はたくさん本を読んでいたり長時間活字を追うことが出来るだけで良いと思いますか? Kさん そんなことはないです。次のもの(作品)を生み出していく企画力は問われてくると思いますし、例えば作家さんであったり漫画家さんとの人間関係信頼関係というものが問われてくると思います。 (3)一番編集者にとって大切な資質は何だと思いますか 編集者 その中で一番編集者にとって大切な資質は何だと思いますか。みんな活字が好きだというのですが、本を読むのが好きな以外で他の人が持っていない要素はありますか。 Kさん 対人関係だと思います。エントリーシートにも書いたのですが、牛丼屋でアルバイトをしていました。ある日怖い感じの人が入店されて、僕はいつもどおりマニュアルを読んで『セルフサービスなのでご注文のものがお決まりでしたらどうぞ』といったらその人は(私の言葉を)無視して、入ってきて、注文をするんですよ。困っていたら、先輩社員の方に助けてもらって収拾したかと思ったのですが、先にお会計を払うシステムになっていて、ここでもごたごたしてしまい、そしたら凄い大きな声で『だから気にくわないんだ』と怒られたことがあり、それで、これまで何をやっていたのだろうなと、接客というものを単にマニュアルどおりやってたら良いと思い込んでいたのを反省して、やはり、人と人との関係が大切なのではないかなぁと思っています。 編集者 もし仮にそのような客が来たらどうしますか? Kさん お客様のところへ行って平身低頭、話を良く聞いて分かりましたといいます。 編集者 (エントリーシートを見ながら)『トラブル』という欄をみているのですが、これだと塾の講師として対人関係がうまくいかなかったのが最大のトラブルだと書いてあるのですが、牛丼の件とどちらが先なの? Kさん 塾のほうが1年生なので先です。 編集者 塾でいろいろなことを学んだんですよね。また牛丼屋さんで同じような失敗をしたということなので本当に成長したのですか? 編集者 話の流れ的に突っ込まれることはあるかもしれないね。 Kさん はい。 (この記事は2003年5月13日に私家版「編集者の学校」に掲載したものです)
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