7日午前9時50分ごろ、京都市左京区の市動物園の猛獣舎内で、飼育員の伊藤淳(あつし)さん(40)が血を流して倒れているのを来園者の女性が見つけた。伊藤さんは頭部や首など数カ所に傷があり、職員らが救出したが、死亡した。京都府警川端署は、園で飼育しているアムールトラ2頭のうち、雄の「ビクトル」(11歳)が襲ったとみている。この事故で、園は客を一時園外に出して対応に当たった。
同署や園によると、事故は通常、飼育員が清掃する時間帯に起きた。おりは二つあり、西側に伊藤さんが倒れ、東側に血痕とバケツが落ちていた。二つは裏の通路でつながっており、伊藤さんは東側で襲われ、裏の通路を通って西側まで引きずられたらしい。
飼育員がおりを清掃する際、トラはシャッターを閉めた寝室にいるが、発見時はシャッターは開いたままだった。ビクトルは東京都多摩動物公園(日野市)から繁殖のために借り受けており、体重約150キロ。【武井澄人、谷田朋美】
毎日新聞 2008年6月7日 東京夕刊