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無許可輸出:北朝鮮核施設に日本製部品 神奈川県警、輸出会社を捜索

 国際原子力機関(IAEA)による北朝鮮の核関連施設への査察で日本製の真空ポンプが見つかり、神奈川県警が今月上旬、許可なく真空ポンプを輸出したとして、同県相模原市の機械装置メーカーと東京都港区の輸出入代行会社を外為法違反(無許可輸出)容疑で家宅捜索していたことが分かった。

 県警は輸出先の台湾に捜査員を派遣し、北朝鮮に至るルートの解明を図る方針。真空ポンプは、遠心分離装置内を真空にして濃縮効率を上げる性能を持つものもある。

 県警などの調べでは、家宅捜索を受けたのは真空ポンプの製造元「東京真空」と輸出入代行業「ナカノ・コーポレイション」の本社など数カ所。2社は03年、経済産業省の許可を受けずに、核開発に使用される恐れのある真空ポンプ数台を台湾へ輸出した疑い。IAEAが07年に北朝鮮の寧辺(ニョンビョン)などの核関連施設を査察した際、東京真空製とみられる真空ポンプを発見。日本政府に通報していた。プルトニウムの抽出工程で使われた疑いもある。

 ナカノ社の社長は家宅捜索を受けたことを認め「真空ポンプを輸出する際、商品名や金額も偽ったわけでもなく通常の税関手続きを経ている。メーカーからは(外為法の)非該当証明書をもらっており、核施設に転用されるという認識はなかった」と話した。また、東京真空は12日朝、電話取材に「上司がいないので分からない」と繰り返した。【鈴木一生、高橋和夫】

毎日新聞 2008年6月12日 東京夕刊

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