新さっぽろテレビ塔の完成予想図(北海道観光事業提供)
さっぽろテレビ塔を、日本一の高層タワーに建て替える構想が進んでいる。高さは、新東京タワー・東京スカイツリーを40メートル上回る650メートル。テレビ塔を運営・管理する北海道観光事業は来春までに、札幌市に建設に向けて許可申請をする意向だ。問題は建設費。1千億円弱の見通しで、実現へのハードルは高い。
構想では、新塔は現地に建て替え、地上500メートルに展望台を設ける。出資を募って設立する特別目的会社が融資を受けて建設し、テナントからの賃料で返済する方式を検討。15〜16年の開業を目指す。
現さっぽろテレビ塔は市中心部の大通公園にあり、高さ147.2メートル。333メートルの東京タワーと同じ内藤多仲氏が設計し、東京タワーより1年余早い57年8月に開業。総入場者数は2千万人超だ。
しかし、03年に高さ173メートルの札幌駅ビル「JRタワー」がオープン。最近は100メートル超のマンションも現れ、「札幌のシンボル」としての地位は下降気味だった。
新塔構想は、設計士や通信会社員、札幌市職員ら様々な分野の専門家の意見をもとにして、北海道観光事業がまとめた。同社は「観光施設としてのインパクトを取り戻し、北海道経済の活性化につなげたい」としている。(若松聡)