全国13カ所の国立ハンセン病療養所を地域に開放する「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」(通称・ハンセン病問題基本法)が11日午前の参院本会議で可決、成立した。施行は来年4月。90年にわたって強制隔離政策が取られ、原則として施設利用を入所者に限定していた政策が大きく転換。一般市民も利用できるようになり、敷地内への福祉施設などの併設も可能になる。
基本法は、(1)療養所の土地や設備を、地域住民や地方自治体にも開放する(2)国や地方自治体は、療養所の医師や看護師の確保に努める--などが柱。施行に伴い、施設利用を入所者に限定している「らい予防法の廃止に関する法律」(廃止法、96年施行)は廃止される。
ハンセン病の隔離政策は96年のらい予防法廃止で終止符を打ったが、廃止法により施設や敷地の利用は入所者に限定されたままだった。【江刺正嘉】
毎日新聞 2008年6月11日 東京夕刊