 |
 |
 |
エックスという錠剤、おしゃれで害も少なそうだけど・・・ |
《エクスタシーのリスクをきちんと話そう》 |
エックス、バツなどと呼ばれるドラッグには、
危険な薬物が大量に含まれていることが多いのです。
主要な成分はMDMAという麻薬です。 |
|
MDMA錠剤とは
近年、錠剤タイプのドラッグが出回っています。小さな錠剤で、いろいろなバラエティがあり、色、形、表面の模様の違いとともに、含まれている成分やその配合も実に多様です。
外見はサプリメントのようですが、MDMAという麻薬などを含んたドラッグです。
[名称] MDMA MDMA等錠剤型麻薬
[通称] エックス エクスタシー バツ タマ
薬物のカクテル
錠剤に含まれる代表的な成分は、MDMAという合成麻薬です。MDMAだけの錠剤もありますが、覚せい剤の仲間、カフェイン、ケタミンなどの麻酔薬と多彩な成分の混合したものもあり、多いもので3~4種類の精神作用成分が、しかもかなり大量に入っています。
覚せい剤とMDMAは化学的によく似た構造をしていますが、このように似たものどうしを配合すると、その作用の強さは、足し算ではなく、掛け算になって現れるといいます。
単独でも強い精神作用を持つ薬物が、数種類配合された薬物のカクテルによって、実際に激しい急性中毒などの例もあり、死亡事故も報告されています。
イベントやパーティーでの事故
MDMAには、体温を上昇させ、血圧をあげる作用があり、これを摂取して激しいダンスを長時間続けることで、高体温になり、横紋筋融解症を起こして腎不全になるなど、数多くの事故例が報告されています。アルコールと併用すると、危険性はさらに高まります。
代表的な成分はMDMAという麻薬
このドラッグを「作用がおだやか」と誤解している人がありますが、実際は、精神に強い影響を及ぼし、脳や神経に大きなダメージを残すこともある麻薬が主成分なのです。
- MDMAは脳内でドパミン神経系やセロトニン神経系に作用し、気分が高揚したり、感覚が鋭敏になったように感じますが、使用後に睡眠障害、気分の障害、不安障害、衝動性の亢進、記憶障害、注意集中困難などが長期にわたって続くことがあります。
- MDMAを大量に摂取すると、不整脈、高体温などにより重大な症状を引き起こすことがあり、横紋筋融解症、低ナトリウム血症、急性腎不全などで死に至る場合もあります。
- 実験ではMDMAは神経細胞に重大な損傷を与え、細胞死をもたらしうることが明らかにされました。
錠剤ドラッグの成分
分析では、次のような成分が確認されました。外国の情報では、強力な幻覚作用のある麻薬を含むものなどの報告もあります。錠剤型麻薬には、次々に新しいタイプが現れていて、そこに含まれている薬物の種類も量も、実に多様です。外見からは、どんな危険が潜んでいるか予測できないのです。
●MDMAなどの麻薬
MDMA、MDA、MDEAなどの麻薬の含有が確認されています。いずれも幻覚作用と興奮作用をあわせ持つ麻薬です。大量に摂取すると神経細胞にダメージを与えることがあります。
●覚せい剤の仲間と覚せい剤原料
覚せい剤を主な成分とする錠剤も出回っています。また、MDMAと覚せい剤の両方が入っているものもありました。覚せい剤の原料であるエフェドリンという成分も見つかっています。覚せい剤には神経を興奮させ、また体温を上昇させる作用があります。
●麻酔作用のある麻薬 ケタミン
人や動物の全身麻酔に使われる麻酔薬で、単独でも乱用されることがあります。生々しい悪夢、幻覚、錯乱、落ち着きのなさ、不眠、めまい、悪心、嘔吐、唾液の分泌過剰などの副作用があり、死亡事故も報告されています。その他 カフェインが確認されています
MDMA(エクスタシー)のQ&A
安全なものもあるといいますが?
錠剤型のドラッグには、必ず麻薬や覚せい剤が1種類以上含まれていますから、無害なものなどありません。また、含有量がとくに多かったり、とくに危険な組み合わせのものもみつかっており、その影響が心配されています。しかも、外見からその成分や量を見分けることができません。実際に、急性中毒で死亡した例や、後遺症で苦しんでいる若者がいることを忘れないでください。
MDMAってもともと医薬品なんでしょう?
MDMAはドイツの大手製薬会社が医薬品として合成し、商標登録されましたが、副作用が強く、医療用には使用されませんでした。それが1980年代に、乱用目的で広まり始め、やがて世界の若者に乱用が拡大したものです。現在、出回っているMDMAは、製薬会社が作ったものではなく、乱用目的で密造されているものです。
持っているだけで逮捕されるのですか?
現在日本で出回っている錠剤型のドラッグには、麻薬や覚せい剤が含まれています。麻薬や覚せい剤の所持や使用は、法律で厳しく禁じられ、違反者には罰則が定められています。高校生も例外ではなく、所持や使用がわかれば逮捕され、少年審判などをうけることになります。実際に検挙された人のほとんどは、1錠程度の所持や、MDMAの使用から逮捕された例です。
|