市立病院の医師不足に悩む大田市は10日夜、地域の救急医療の充実を目指し、市内の開業医と手を組み新たな体制づくりを考える「大田市救急体制検討部会」を開いた。
非公開で進められた検討部会には、竹腰創一市長ら関係者約15人が出席。医師は、市立病院と市医師会から各3人が顔を合わせ、部会長に福田医院の福田一雄院長、副会長に市立病院の西尾祐二副院長を選んだ。
議事では、市立病院の救急患者数の現状が報告。どこの自治体でも問題になっているコンビニ受診をなくしていくため、県央保健所が作成した「上手なお医者さんのかかり方」の小冊子を基に、市民に啓蒙(けいもう)活動をしていくことなどが話し合われた。
軽症でも、安易に救急外来に駆け込むコンビニ受診の増加は全国的な傾向。担当医の心身の疲弊が地域から医者離れを生み、ひいては地域医療そのものを危機に陥れかねないとの指摘がある。
市立病院の岡本彰弘・医療対策課長によると、同病院でもコンビニ受診は増えているという。同部会では今後、月1回のペースで調査や検討を重ねていく。【船津健一】
毎日新聞 2008年6月12日 地方版