救急ヘリ運行 県民の力で/NPO法人MESH発足へ
1人1000円募り捻出
【北部】財政難のため七月から一時運休の恐れが出ている北部地区医師会病院の「救急ヘリ」の運用継続を目指すNPO法人「MESH(救急ヘリ搬送事業)サポート」設立準備委員会の発起人会が十一日、同病院で開かれた。ホームページなどを通して北部の住民をはじめ、広く県民に年会費千円(入会金なし)の支援を求めるなど、「命の格差是正」に協力を求めていくことを確認。医療過疎地での救急ヘリの重要性を訴えている。
設立代表者の小濱正博医師らが「救える命は救わないといけない。救命率の向上や後遺障害軽減に大きな効果がある。地域の方々に利便性が認識されてきたのに、ここでやめるわけにはいかない」と訴えた。若手の医師から「『本当に必要だ』という地域の声を受け、きちんと方向性を示す必要がある」などと切実な声が相次いだ。
「救急ヘリ」は、昨年六月の運行開始以来二百八件の出動要請があった。これまでに七万一千人余の署名が集まり、北部首長も仲井真弘多知事に行政が費用負担する「ドクターヘリ導入」を要請している。ただ、人口が少ない地域への導入に国が難色を示しており、北部への導入のめどはたっていない。
準備委は、年会費だけで運営しているスイスの航空救助隊をモデルに「多くの人から小さな協力を求めたい」として、個人で千円、企業は十二万円(入会金五万円)の年会費など民間からの寄付を募る。同時に北部市町村や消防など行政などにも協力を求め、年間約八千万円の運営費捻出を目指す。近く県にNPO設立を正式に申請する。
寄付の問い合わせは、同病院のホームページか同病院「MESHサポート事務局」電話0980(54)1006。