4月から実施された診療報酬改定で、「外来管理加算」の算定要件に5分以上の診察時間を義務付ける「5分ルール」が導入されたことについて、県保険医協会(河原木俊光会長)は11日、青森市内で記者会見し、県内病院への導入後アンケートを踏まえ、「病院が減収、勤務医は作業量が増えて地域医療が崩壊する」と改めて危機感を訴えた。収入減が1カ月38万円に上った小児科や、公的病院で年間1千万円を超えるケースもあった。同協会は継続的に調査を進めながら、国に対し「5分ルール」の撤廃を求めていくという。
200床未満の病院、診療所の医師が再診する際、リハビリや処置などをしない医療を行った時に算定するのが外来管理加算。「5分ルール」は、患者に病状説明や治癒に向けた丁寧な指導を促す趣旨で国が導入した。しかし、診察時間が延びることによって、1日当たりに診察できる患者数が減り、減収や労働強化にもつながるとされ、医療現場は頭を悩ませている。
同協会が県内の501病院を対象に5月に実施したアンケートでは、回答した117病院中、96%が5分ルールに反対。78%の病院が「地域医療の崩壊が加速する」と感じているという。
ある公的病院では1カ月の減収が約96万円に及び、単純計算で年間の減収が1153万円に達した。特に皮膚科と小児科で外来管理加算を算定できなくなる割合が高い(各24%、23%=推計)とされる。
会見で同協会は「中小の病院に影響が大きい。5分ルールを撤廃し、診療報酬を分かりやすい仕組みに変えるべき」(大竹進副会長)と話した。