県教育委員会は11日の定例会で、県立高校の再編に関する骨子案をまとめた。再編の必要性が高いとした7つの旧通学区のうち、中野市、須坂市などの旧第2と、佐久市などの旧第6、大町市などの旧第12で1校減とする学校数を提示。諏訪地方の旧第7は、従来の岡谷東―岡谷南の統廃合案は取り下げた上で、県外を含め生徒の流出が多いことや、中学校卒業者数が当面減少しないなどの状況を抱えていることから「適正規模を確保するだけでは課題を解決できない」との表記にとどめ、具体案を示さなかった。
骨子案ではこのほか、長野市北部や佐久市などの小規模校の地域キャンパス化を検討するほか、木曽地域では蘇南(南木曽町)の総合学科への転換を盛った。上伊那地方の旧第8は「当面、現状維持が適当」とした。
旧第7は「早期に再編を進める必要がある」としながらも、「地区の課題を解決する新しいタイプの学校の導入や学校の適正規模を検討する」とのあいまいな表現。定例会後の会見で、山口利幸教育長は「現時点で県教委としての案を持ち得ていない」と吐露した。入学生徒の流出や中学校卒業者数の推移に加え、以前の議論で地域の不信感が根強いことに配慮して慎重に対応していると説明し、今後は「すべてを対象に議論していく必要がある」と述べ、地域の市町村長や学校関係者らと意見交換を重ねて早期に方針を示したい意向を示した。
旧第8通学区については、地域高校以外の普通科を持つ高校が1学年5―7学級の適正規模を確保していることや、農業高校や工業高校が1校ずつ配置されていることを理由に、現状維持が適当と結論づけた。ただ少子化の進行が予想されることから、将来的な再編の必要性を指摘した。
山口教育長は「これで変えないということではない。県議会や県民意見などを参考にしたい」と話した。
県教委は骨子案をもとに、12月までに統廃合対象校を盛り込んだ実施計画案をまとめ、来年6月の計画策定を目指している。