【6月12日03時42分更新】
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◎麻酔医の不足深刻化 能登総合病院 金大引き揚げ、県外大の派遣難航

 能登で唯一の救命救急センターである公立能登総合病院(七尾市)の麻酔科医不足が深 刻となっている。昨年四月から常勤麻酔科医がおらず、金大附属病院の派遣医師二人が三 月末で引き揚げた後は全身麻酔が必要な手術の順番待ちが増えており、センターの機能を 十分果たしているのか疑問視する声も出ている。

 能登総合病院は昨年三月末に常勤麻酔科医二人が退職し、その後は金大附属病院、金沢 医科大病院(内灘町)、浅野川総合病院(金沢市)から各二人の医師が出向き、非常勤で 対応していた。同七月には夜間に救急搬送された重症の虫垂炎患者の女児の手術ができず 、石川県立中央病院に転送された経緯があり、病院側が常勤医確保を急いでいた。

 関係者によると、昨年暮れに金大附属病院から「麻酔科医不足が深刻化している」と三 月末での医師の引き揚げ要請があった。

 当時、能登総合病院は四月にも岡山、愛媛両大から常勤麻酔科医が派遣される可能性が あったこともあり、金大側の申し出に応じた。しかし、両大学で派遣医師の人選が難航し 、四月着任は実現しなかった。

 四月以降は金沢医科大病院から医師をもう一人、隔週一回出向いてもらっているが、カ バーしきれず、がん患者ら全身麻酔が必要な患者の手術の順番待ちが増え、中には一カ月 ほど待たされるケースもあったという。

 能登総合病院は先月、都内のフリーの麻酔科医一人と契約を交わし、今月から毎月第二 週の水、木、金曜を担当してもらい、順番待ちはある程度、改善される見通しだが、常勤 医確保のめどは立たないままだ。川口光平病院事業管理者は「岡山、愛媛大には常勤が困 難であれば非常勤で派遣してもらう方法も含め検討したい」としている。


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