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【主張】首相問責決議 不毛な民主党の対決路線 

2008.6.12 02:13
このニュースのトピックス主張

 民主党など野党が福田康夫首相に対する問責決議を参院で可決した。内閣総辞職や衆院解散・総選挙を迫りながら「首相を相手にせず」という姿勢をアピールするねらいがある。

 両院の一方が、内閣を否定するに等しい意思を示した。だが、問責決議は衆院の内閣不信任案と異なり、憲法上規定されていない。法的拘束力はない。

 問責理由は、福田首相が後期高齢者医療制度の廃止に応じないというものだ。首相が無視するのは当然である。与党は問責決議に対抗して内閣信任案を可決する。

 首相はこれまで以上に粛々と懸案の解決にあたるべきだ。

 民主党は「首相を相手にせず」の方針とつじつまを合わせるため、今後の国会審議には応じないという。国政の停滞に拍車をかけるだけである。政略優先の対応から抜け出せないのは情けない。

 問責決議案提出に伴い、同じ11日に予定されていた首相と小沢一郎民主党代表による党首討論の機会が失われた。党内には討論に臨むべきだとの意見もあったが、首相の「クリンチ(抱き付き)戦術」に付き合うのは得策でないという判断がまさったようだ。

 国民が注目する中、政府の失政をただす絶好の機会にできたはずである。その自信がなくて党首討論を見送るなら、問責決議を出す根拠の薄弱さを自ら露呈したようなものではないか。

 10年前に額賀福志郎元防衛庁長官が、問責決議の可決で閣僚辞任に追い込まれた例もある。だからといって首相問責決議後の審議を拒否するというのでは、議会政治は停滞し、国民の不信を深め、不毛な対立を生むばかりだ。

 沖縄県議選で与党が過半数を割り込んだことも、民主党を勢いづけた。だが、問題は新制度を廃止した後の高齢者医療のあり方を示さない無責任な態度なのだ。参院という国政の一翼を担っている責任や自覚が希薄すぎる。

 民主党が目指すべきは与党との政策の競い合いだ。例えば、財源面で十分な裏付けのないマニフェスト(選挙公約)で選挙を戦えば、政権交代がかなっても公約は実現できず、民主党への支持は一気にしぼむ。そう懸念する党内の声は小さくない。

 小沢代表ら党執行部があえてこれに耳をふさぎ、政局至上主義を貫くなら、責任政党を否定していると言わざるを得ない。

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