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不況知らずの医療関係者の就職戦線
このニュースのトピックス:景気
【ウィルミントン(デラウェア州)=USA TODAY(ゲーリー・ヘイバー)】景気の減速感が広がっている米国で、医療関係者の求人だけは堅調だ。今年4月の雇用者数は前月比2万人減だが、教育・医療関係では5万2000人増えている。
専門家は「薬剤師、看護師、医師などに対する需要は国民の高齢化に伴い増え続ける」とみている。また、医療・検査技術の多様化も需要が高い要因だという。
現在、米国で不足している看護師は12万人。2020年には35−80万人が不足すると推測されている。ペンシルベニア看護大のマシュー・マクヒュー研究員は「現時点では需要に見合う態勢は取れていない。問題は十分な数の教授陣と教育施設がないことだ」と指摘。教授陣の高齢化が進み退職者が急増しているという。医療関係者の人材派遣会社、AMNヘルスケア(カリフォルニア州サンディエゴ)のラルフ・ヘンダーソン看護科部長は「学校が補充する以上に退職者が多い」と頭を抱える。
昨年、看護大希望者のうち3万1000人が定員オーバーのため、入学できなかったという。
4000人の職員を抱えるある小児科専門の医療チェーンは、新規雇用のために各地で就職説明会を開いている。必要性の高い言語療法士、理学療法士、作業療法士については1万ドル(約100万円)のボーナスと1万ドルの奨学金を与えることを強調、人材確保に努めている。
ヘンリー・C・コンラッド科学学校の学生、ジャスミン・ワイリーさん(14)は祖母、母親といっしょにクリスチャンナ病院(デラウェア州ニューアーク)が開催した説明会に出席。婦人科医になる決意を固めたという。
(原題)Health care hiring not hurt by economy
(景気に左右されない医療関係者の就職)