専業主婦がいる家庭の夫も育児休業を取れるよう、厚生労働省は育児・介護休業法を改正する方針を固めた。共働きかどうかにかかわらず育休が取れる環境を整え、少子化対策の柱としている男性の育児参加を進める狙いだ。
厚労省の「今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会」が12日、報告書素案として示す。夫が育児に積極的に参加するほど、第1子出産後も妻が仕事を続ける割合が高く、夫婦が2人目、3人目の子どもを考える割合も高いという調査結果がある。短時間勤務や残業免除の制度導入の義務化と併せて同法改正案に盛り込み、来年の通常国会への提出を目指す。
現行法では、事業主は従業員が育休を希望した場合は認めなければならない。しかし、労使で合意すれば、専業主婦(夫)がいる家庭の従業員を対象外にできる規定がある。事業所の75%がこの規定を適用している。
厚労省によると、40歳以下の男性正社員の3割が「育休を利用したい」と考えている。こうした実態をふまえ、除外規定をなくして男性の育休取得を促し、女性の子育ての負担軽減にもつなげる。
育休は原則、子どもが1歳になるまでに1回取れる。育休を取ると雇用保険から休業前賃金の5割が「育児休業給付」として出る。政府は、男性の育休取得率0.5%を、17年までに10%まで引き上げることを目指している。(高橋福子)