現場の努力、国民の我慢は限界―日医会見

 日本医師会(唐澤祥人会長)は6月11日、定例の記者会見を開き、財政制度等審議会などに対する同会の見解を発表した。

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 まず、厚生労働省の「安心と希望の医療確保ビジョン懇談会」について、内田健夫常任理事が発言。同懇談会は厚労相の私的諮問機関であり、設置やメンバーの選定に日医は一切かかわっていないと前置きした上で、次のように批判した。
「現在まで日医に対するヒアリングなども行われておらず、また、医療関連団体や厚労省の各種検討会や審議会との関連性や位置付けに関する議論もなされていない。経済財政諮問会議とか規制改革会議がトップダウンで国の方向性を決めるということがこれまでにもあったが、同懇談会の場で今後の厚生労働行政の方向性が規定されるようなことがあれば、これは由々しき事態だ」

 財政制度等審議会の「平成21年度予算編成の基本的な考え方について」に対しては、中川俊男常任理事が、建議の中で「病院勤務医の負担軽減や産科・小児救急等を重点的に評価する観点からプラス改定とされたが、一方で、国民負担の増ともなっている」と述べられていることに反論。
「確かに診療報酬本体は0.38%のプラスだが、全体では0.82%のマイナス。本体だけを取り上げて国民負担増を強調するのは、さらなる医療費の削減を狙っているからにほかならない。どうして医療従事者、そして患者の気持ちを逆なでするようなこんな表現ができるのか。年間2200億円の削減を撤回させない限り、現場の努力、国民の我慢は限界」と述べた。

 社会保障国民会議第二分科会中間取りまとめ骨子(案)については、病院が「装置産業」とされていることに中川常任理事が反論。「医療は人的資源の質、患者との信頼関係が極めて重要であり、設備投資コストのかかる医療機関であっても同じ。装置産業とは不適切であり、削除すべき」とした。また、▽効率化重視であり、国民の視点が欠落▽株式会社参入を企図▽レセプトオンライン化の前倒しが医療提供体制を縮小する─などの点で受け入れ難いとした。


更新:2008/06/11 21:30     キャリアブレイン

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