忘れるだけなら認知症ではない。本紙連載「丈夫がいいね」によると、忘れたことを思い出し、反省するのが正常で「そんな約束あったっけ」と約束したこと自体を忘れて、反省もしないのが認知症という 失礼ながら、首相問責決議で党首討論を忘れた野党のことを思い出した。もっとも、異変を察知したら早めに病院に連れて行くのが肝要と言うから「解散総選挙」という名の診断を受けさせる必要があると思っての行動には違いない 町村官房長官は「小沢氏はよほどやりたくないのだろう」と、問責決議の狙いが党首討論つぶしにあると言わんばかりだった。政治とは、敵と味方を峻別(しゅんべつ)することでもあるが、口下手と政治べた党首の思惑一致とのうがった見方もないではない 党首討論の回数が過去8年で最低となった。有権者との約束ごとでもある党首討論をほごにして反省なしでは困る。現憲法下初の問責決議は厳粛に受けとめるべきだが、そこから何が生まれるというのだろう 目前の相手に面と向かって責任を問えば痛快であり、実りもあったろう。かけ引きに終わらない真剣勝負を見たい。
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