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宇宙の家、水回りトラブルに泣く

2008年6月11日14時52分

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写真栽培装置の中で育ったシロイヌナズナ(写真は地上試験時のもの)=宇宙機構提供

 【ジョンソン宇宙センター(米テキサス州)=田之畑仁、勝田敏彦】地上400キロを回る国際宇宙ステーション(ISS)は乗組員3人が住む小さな宇宙の家だが、最近、「水回り」トラブルが相次いでいる。

 日本の有人宇宙施設「きぼう」の中核となる船内実験室を設置する作業では、実験装置などを水で冷やすシステムを接続しようとしたら配管の水に余分な泡が入っていた。泡はポンプを傷める可能性がある。茨城県つくば市の「きぼう」管制チームが水流量を増やすよう米航空宇宙局(NASA)に依頼、遠隔操作で対応してもらい解決した。

 ほかにも、やはり水を使っている実験室内の空調ファンの一つが自動停止した。実験室内の湿気を取り過ぎ、警報装置が作動した。「湿度想定が実態と合っていなかった」(宇宙航空研究開発機構)ためで、設定を変えた。

 トラブルは3月、欧州宇宙機関(ESA)の実験棟「コロンバス」でも起きていた。西谷和彦・東北大教授と保尊隆享(ほそん・たかゆき)・大阪市大教授が行っていたシロイヌナズナの実験で給水装置が故障。45日かけて育てる予定が、20日余りしか育てることができなかった。

 ISSでは、一つしかないロシア製トイレが故障、修理で復旧、関心を集めた。

 宇宙飛行士の土井隆雄さん(53)は「宇宙でも水を使ったいろいろな装置があり、よく問題が起きる。水回りが難しいのは普通の家と同じです」と話した。

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