『性奴隷失格?恋人候補?』
「あんっ、ご主人様ぁ〜。もっ、と。もっと激し、く。」 裕也がケンイチの要望通りに激しく腰を動かした。 じゅぷっ。 じゅぷぷっ。 「あぅぅっ、イっちゃいますっ、イっちゃいますぅぅっ!」 裕也が果てると同時にケンイチが吐精した。 じゅぷんっ。 裕也がケンイチの中に埋めていた己のソレを引き抜くとベッドから降りた。 ベッドで余韻に浸りぼんやりとしているケンイチに裕也が言った。 「ケンイチ。」 「はひ。なんですか、ご主人様。」 とろんとした目でケンイチが裕也を見つめた。 その瞳には愛おしさが溢れている。 しかし裕也は冷たく言い放った。 「ケンイチさ、明日からは性奴隷じゃなく性奴隷候補に格下げだからね。」 その言葉を聴いた瞬間ケンイチが跳ね起きた。 「ど、どうしてですか、ご主人様?!」 「どうしてだか分からない?」 「う〜。分からないです。」 「それが分からないからケンイチはだめなんだよ。」 ふぅと裕也がため息を吐いた。 裕也が服を身に着ける。 「ボクはこれから用事があるから行くよ。」 「ま、待ってくださいご主人様〜!」 一人きりの空間にケンイチの悲痛な声が響いた。 自分が性奴隷候補に落とされた理由。 それがケンイチには分からなかった。 裕也の嫌がることをやってしまったのだろうか? それとも。 いくら考えてもケンイチに答えは見つからなかった。
「今日から性奴隷候補だね。」 翌朝、ケンイチの作ったベーコンエッグとトーストを頬張りながら裕也が言った。 「冗談じゃ、なかったんですね。」 ケンイチが落ち込んだ声を出した。 「ボクはこれから仕事に行くけど、今日ケンイチはここに行ってきなさい。」 一枚の地図を渡される。 「え、でも家事は。」 「今日はいいよ。それよりもここに行ってきて、 「うう〜。分かりましたぁ。」 涙声。 「でもなんなんですか、ここ。」 「風俗店だよ。」 「え?」 「そこに行って、ケンイチの体を使って貰って来なさい。 ケンイチが黙って不安そうに裕也を見つめた。 「淫乱治療だよ。まずはケンイチのその淫乱を治療しないとね。」 真剣に裕也が言った。
「ご主人様なんて大っ嫌いですー。」
夕食を運びながらケンイチが裕也に文句を言った。
「どうしてボクを性奴隷から性奴隷候補にしちゃったんですかぁ?!」
「それは、だな。」
ケンイチが作った食事を口に運びながら裕也が黙った。
メシ作ったり、掃除洗濯したりするのは性奴隷じゃなくて。
恋人。
だと思うから。
「なんでもない。」
「と、特に理由もなく降格ですか?!」
食事に箸をつけずにケンイチが声を上げた。
「酷いです。酷すぎます、ご主人様ぁ。」
「いいから食べなさい。」
箸を握り締めたまま目に涙を溜めるケンイチに裕也が話しかけた。
「ん、ちょっと考えてることがあって。考えが決まったら。」
「性奴隷に戻してもらえるんですか?」
「どうだろう。」
裕也の一声一声に一喜一憂するケンイチを可愛いと思う。
裕也は黙って食事を続けた。 |