裁判員制度:東京地裁で模擬裁判 同一事件で判断分かれる

 深夜のスーパーに忍び込んで物色中に見つかり、追いかけてきた店員に暴力をふるった男は何の罪に当たるのか--。同一事件を三つのグループで審理する模擬裁判が4~11日、東京地裁であり、2グループが「強盗傷害」、1グループが「窃盗未遂と暴行」と判断した。

 法律では、暴行が「捕まえることを断念させるほど強力」なら強盗傷害罪(最高刑は無期懲役)になるが、暴行の程度が弱いと窃盗未遂と暴行の併合罪(最高刑は懲役12年)になる。

 評議の結果、2グループは「激しい暴行で店員が指を骨折した」と認定して懲役3年の実刑を選択。ほかの1グループは「けがは男の暴行でできたと限らない」として、窃盗未遂と暴行の罪で懲役2年、保護観察付き執行猶予4年とした。

 裁判員役の会社員、漆崎純夫さん(42)は「判断が難しい。本番だともっと心理的負担を感じると思う」と語った。【伊藤一郎】

   ◆模擬裁判の判決結果◆

グループ  罪名     量刑

A    強盗傷害   懲役3年

B   窃盗未遂と暴行 懲役2年、

            執行猶予4年

C    強盗傷害   懲役3年

毎日新聞 2008年6月11日 21時01分(最終更新 6月11日 21時53分)

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