私たち一家は毎週日曜、大村のプロテスタント教会に通っている。ある日の礼拝後、長女ひーちゃん(6)、長男ゆー君(4)と近くのショッピングセンターに寄った。次男よっしー(2)は風邪のため、妻のんち(32)と家で留守番だった。
レジで並んでいると、ひーちゃんが「急にトイレに行きとうなった」。30分前に教会で行ったので緊急性はないと判断し、ゆっくりとトイレに向かった。
しかし出てきたら「ウンチの半分はトイレに出たけど、半分はパンツに出た」。それ、漏れちゃたってこと? 「うん」。トイレが満室で待っている間に我慢できなくなったらしい。
男性用トイレの個室にひーちゃんを連れ込むと、パンツにウンコがべっとり。あちゃー。ティッシュペーパーで応急処置をしながらひらめいた。この店で新しいパンツを買ってやろう。
本欄をご愛読のお父さん方。娘のパンツを買ったことはありますか? 私は一度もなかったです。平静を装い、店員さんに「じょ、ジョ、女児の下着コーナーはどこ?」。売り場では110、120などサイズごとに分かれたパンツの群れに大混乱。目に入った120サイズのをひっつかみ、ひーちゃんに500円を持たせて買って来させた。
さらに、トイレ近くのカウンターでパンツを出し、店員さんに「値札の糸を切ってください」。トイレの近くだし、横に女の子を連れているんだから事情を察してね、と目で訴えた。
ゆー君を待たせ、ひーちゃんと再び個室へ。ウンコパンツを慎重に脱がせ、お尻をふき、一段落だ。
すべてが落ち着いてから、考えた。ここでウンコを漏らしたことを怒ったら、ひーちゃんの心に傷や苦手意識が残ってしまう。
「ごめんな。ひーちゃんが急いでいることを分からんかった父さんが悪い。1、2、3で忘れよう」と謝った。1、2の3でひーちゃんとおでこをぶつけ合って「あー忘れた、もう忘れた」と言ったら、ひーちゃんも「わはは」と笑ってサッパリしたようだった。
教訓。ウンコ事件の際はフォローが大事である。【山崎太郎・35歳】
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毎日新聞 2008年6月11日 地方版