第10回岡山市行政区画等審議会(会長・千葉喬三岡山大学長、19人)は10日、区名意向調査の結果を踏まえ、候補を選定した。12日に高谷茂男市長へ答申し、今月中にも同市の考えを表明、11月定例市議会に政令市移行で設置する行政区の名称とエリアを定める条例案を提出する。 同審議会には委員18人が出席し、高谷市長、千葉会長あいさつの後、事務局が4月28日から5月19日まで行われた区名意向調査結果を報告した。 各区のトップと構成比は、A区(仮称)が「北」で32・8%(居住者27・8%)、B―1区(同)が「中」で37・2%(同35・8%)、B―2区(同)が「東」で40・7%(同43・6%)、C区(同)が「南」で39・2%(同45・9%)。 意見交換で、岡本輝代志委員(岡山商科大商学部長)は「25%以上あれば母体の代表を表している」というクオーター理論に触れながら、各区のトップがいずれも25%を超えているため「この順位でいい」と主張した。 千葉委員長は「(投票結果は)よほどのことがないと覆せないと思う。1位と2位に圧倒的に差が付いている」と指摘。大塚克己委員(市勤労者協議会会計監査)も「これだけの数字の根拠を覆すものが見つからない」と賛同した。 一方、小田一泰委員(前岡山県警本部警務課長)は、他の行政機関、公共施設などの名前との整合性を指摘し「何か違和感を感じるのが中区」と強調。上岡美保子委員(岡山貿易情報センター所長)と佐藤久子委員(市連合婦人会長)は、A区の北区に違和感を唱えた。 また、藤井和佐委員(岡山大大学院社会文化科学研究科准教授)は「個人的には方角を表しているものはつまらない」と述べた。 しかし、全体として強い反対意見はなく、投票結果の各1位を候補として答申することが決まった。 終了後、高谷市長は「市民の望むことをやるのが行政だと思うので納得している。使い慣れたら、ちゃんといいようにいくのではないか」と話した。 この通りに決まれば、岡山市役所は「中区」ではなく「北区」になるが、市役所の位置は大阪市も「北区」、北九州市は「小倉北区」で、横浜市、浜松市、広島市は「中区」にある。