西日本政経懇話会の6月例会が9日、福岡市・天神の福岡国際ホールであり、オリックスの宮内義彦代表執行役会長が「これからの日本経済はどうなるか」と題して講演。宮内氏は「このままでは、日本の経済力は世界で弱くなる。経済格差を是正する分配論ではなく、国内のサービス業を伸ばすなどの成長策を議論すべきだ」と強調した。
宮内氏は日本について、市場経済のほか、行政が権限を使い業界を方向付ける「統制経済」などが入り込んでいる点を課題として指摘。「九州に名医を呼んでアジアの医療センターにするなど、思い切った規制緩和を進めなければ、世界と戦えない」と述べた。
また、卸・小売り、外食業など国内総生産(GDP)の比率が高い第3次産業が海外に比べ競争力が劣ることも課題に挙げ、「製造業も大切だが、サービス業の発展の方が経済効果は大きい」との見方を示した。
今後進む人口減少への対策について、「答えはない」としつつも「優秀な人材を受け入れる体制をつくっておかないと、日本は見向きもされなくなる」と話した。
=2008/06/10付 西日本新聞朝刊=