北京五輪聖火リレー 初めて雲南省のチベット民族の街へ
北京オリンピックの聖火リレーは11日、初めて中国・雲南省のチベット民族の街に入った。今まで以上に厳重な警備の中、リレーは、日本時間11日午前10時半ごろにスタートした。
チベット暴動から3カ月、聖火リレーが初めてチベット民族の街にやって来た。
聖火リレーは、華やかな民族演舞に包まれながらスタートした。
雲南省シャングリラは、中国チベット自治区と隣り合わせの標高およそ3,300メートルの街で、住民のほとんどがチベット民族となっている。
シャングリラでの聖火リレーについて、中国政府関係者は、チベット民族が北京オリンピックの成功を願う姿を国内外に見てもらうのは、大きな意義があると語っている。
その一方で、リレーの妨害に対する警戒感を強め、武装警察の厳重警備で一般市民がまったく近寄れないところが多く見られるなど、これまでで最高の警戒態勢を敷いている。
チベット仏教寺院「松賛林寺」では、大人から子どもまで僧侶800人以上が住み込み、修行を重ねながら生活を送っている。
3カ月前の騒動の時、この寺にも解放軍が入って来たという。
僧侶は「(海外の聖火リレーの時、ダライ・ラマが?)知らない、知らない」、「(チベット民主活動やってますか?)子どもだからわからない」などと話した。
政府は、市民を大量動員して盛り上げる一方、爆弾テロを警戒し、子どもたちの聖火リレーの見学は中止し、道路は激しい交通規制で市内の往来が止まっている。
中国政府は、社会問題の微妙なバランスの中、チベット民族居住区で初めての聖火リレーを行っている。