さまざまなネットワーク機能をモジュール化して統合
ネットワーク
ビギナーのためのネットワークの基礎講座
第1回 ルーティングの基本動作を学ぼう
ゼロから押さえるルータの仕組み
ルータは、ネットワーキングの根幹を支える重要なネットワーク機器だ。本講座では、ルータの基本的な機能や技術を解説しながら、ネットワーク管理者としての基礎力向上を目指す。第1回は、ルーティングの概要を説明する。 (2006/10/26)
宛先までの経路を選択して
データを届けるルータ
ルータは通常、OSI第3階層のネットワーク層で動作する。TCP/IP通信の場合、ルータはIPのヘッダを見てさまざまな処理を行っているのだ。なかでも、最も重要な処理が「ルーティング」となる。
ルーティングとは、「経路を選択する」という意味だ。どのような経路を使用してデータを送信するかが設定される。ルータという機器の名称も、このルーティングから来ている。
図1の例を見てみよう。ルータA、B、Cの3台がWANを介して接続されている。ルータAには192.168.1.0/24のネットワークが、ルータBには192.168.2.0/24のネットワークが、ルータCには192.168.3.0/24のネットワークが接続されている。
ルータは、「ルーティングテーブル」を持っている。これは、データを送信するために経由すべき次のルータが記述されたものだ。例えばルータAのルーティングテーブルには、直接接続されている192.168.1.0/24と、192.168.2.0/24のネットワークに行くためのルータB、そして192.168.3.0/24のネットワークに行くためのルータCが登録されている。
192.168.1.0/24にあるIPアドレス192.168.1.1のコンピュータAから、192.168.3.0/24にあるIPアドレス192.168.3.1コンピュータCへデータを送るとしよう。コンピュータCはまず、デフォルトゲートウェイであるルータAにデータを送信する。データには、EthernetヘッダやIPヘッダが付加されており、IPヘッダには送信元として192.168.1.1が、宛先として192.168.3.1が記述されている。ルータAはIPヘッダを見て、ルーティングテーブルから192.168.3.0/24のネットワークへはルータCに渡せばよいことを知る。こうして、データはルータCへとルーティングされるというわけだ。
では、ルーティングテーブルはどのようにして作成するのか。次回は、作成方法によって異なる「静的(スタティック)ルーティング」と「動的(ダイナミック)ルーティング」について解説する。
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